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エッヂドクォーツ

まど♀です。

マトが【メルフィーユ】と名付けたクリスタルがあります。

名前を付ける事はあまりないので、『お気に入りなんだろうなぁ』と思い、よく見せてもらいました。

これがメルフィーユちゃんです。

驚いたのはメインファセットの中の景色です。

見事なファントムの層です。

元は中が見える程ファセットが透明ではなく、「中に何か入ってる!」と感じたマトは、メインファセットのみ自分で研磨したそうです。

 

自分で磨いた結果、綺麗なファントムがでてくるとは凄い体験です。

お気に入りになるのも納得です。

 

「でも僕が最も気に入っている部分は、ファントムではなくココだよ。」

 

マトは意外な箇所を指しました。

思わず『え、ココ?』と聞き返してしまいました。

 

「そう、この溶けている箇所。最高だね。」

……どうしよう、良さが分からない。

 

「メルフィーユはファントムであり、エッヂドでもあるんだよ。」

 

マトが説明してくれました。

【酸などの影響により、表面に溶けた跡を持つものをエッヂドクォーツと呼ぶ。

エッヂドクォーツはクリスタルの完成形の1つであり、聖なるエネルギーや神秘性を帯びやすい。】

 

「溶けるを英語でmelt(メルト)というでしょ。加えて、ミルフィーユみたいに何層も重なっているファントム。

だからメルフィーユと名付けたんだよ。」

 

なるほど!

エッヂドクォーツといえば、他にもマトのお気に入りがあります。

美しい…まるで氷のようです。

しかし、エッヂドがクリスタルの完成形というのが引っかかりました。

単に、偶然溶けただけに思えるのですが…

 

「偶然はない。僕の感覚では、エレスチャルとエッヂドはクリスタルの完成形だ。

エレスチャルは上塗り、エッヂドは削り(彫刻)。どちらも仕上げであり、どちらを選ぶかだ。

おそらくほとんどのクリスタルは本来、最終的にエッヂドになるはずなんだ。

水の浸食を受けるからね。エレスチャル化してしまえば浸食に耐えるかもしれないけれど。

エレスチャルでもエッヂドでもないクリスタルは、浸食を受ける前に水が引き、人間に採掘されたりしているんじゃないかな。

因みに、水の引きが繰り返されるとファントムが形成されたりする。」

 

エッヂドの溶けた跡を【彫刻・仕上げ】と表現するのは興味深いです。

 

「エッヂドクォーツはいわば洗礼を受けたクリスタルだ。クリスタルの神父さん的な存在だね。

まぁモノにもよるけど、エッヂドのエネルギーは素晴らしいよ^-^」