まど♀です。
私は学生の頃、化学が苦手でした。
元素記号やら化学式が駄目でした。
理系の人はどうしてこれを好きになれるのか…?
試しに、大学で化学系の学科を専攻した理由をマトに訊いてみました。
「別に元々化学が好きだった訳ではないよ。高校2年生の時、授業でベンゼン環が出てきて、その美しさに感動したんだ。それがきっかけだよ。」
で、科学者を目指そうと思ったの?
「職業とかは全く考えてなかった。ただ、どうすればその世界をもっと探究できるのか、寄り添っていけるのか、それしか頭になかった。
最初は建築志望だったんだ。元々デッサンが好きで、建築ならそれを生かせるかなと思って。家を建てるのも面白そうだと思っていた時期もあったよ。」
自分が美しいと感じたものに対して一途に行動できるって、素敵ですね。
恥ずかしながら【ベンゼン環】が分からなかったので、『どんな美しいものなのだろう』とワクワクしながら検索してみました。
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以下ネットより引用
引用元:コトバンク
【ベンゼン環】
ベンゼンなどの芳香族化合物に含まれる、6個の炭素原子からなる正六角形の構造。炭素の六員環。略記法では、炭素および水素原子を省略して示す。ベンゼン核。
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転載は以上です。
あの、これに…感動したの…?
「それだよそれ♪六角形になるんだよ!」
と言われても…(^-^;)
「つまり結晶構造なんだ。有機体で結晶構造になるのは珍しいんだよ。」
だから有機体において…結晶化は…ベンゼン環を元に…云々…とマトが何やら言っていましたが、残念ながら頭に入りませんでした。
後日、マトが過去にmixiで綴った日記を読んでいると、ベンゼン環の話が出てきました。
その内容を一部転載します。
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高校生の頃、化学の授業で有機化学の章に入った時、突然先生の話に熱が篭りました。私も思わず触発されて、興味が湧いてきました。あれは先生の教え方が自分の感性を刺激したのでしょうね。黒板に描いていく化学構造式はCやHの原子記号が排除されベンゼン環の俗に言う「亀の子」と棒で表した一種の幾何学模様でした。OやNの原子記号がアクセントの飾り付けとなり、まるで黒板にはステンドグラスの光がキラキラと輝いているように見えたのです。私は夢中になってそれをノートに書き写しました。
共鳴安定化とか電子吸引性とか本来なら難しいはずの用語がステンドグラスの輝きと共に自然と頭に吸収され、小さな子供がレゴブロックで遊ぶような感覚で有機合成化学という「おもちゃ」遊びを覚えてしまったのです。それはまるで錬金術の魔法の世界であり、石油から得られるエチレンやアセチレンをもとに何でも作れてしまう錯覚を覚えました。私にとって軽音楽とともに有機化学が興味の対象になったのです。そして建築志望だった大学の学科も考えた挙句に応用化学に変更したのでした。
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転載は以上です。
これを読んで、もしかしたら…と思いました。
【六角形/結晶】という部分において、私は真っ先にクリスタルを連想します。
自分自身、何故クリスタルに惹かれるのだろう?と考えた事がありました。
内包物の美しさや秘められたエネルギーなど様々な要因はありますが、一番の理由はおそらく結晶化しているからでしょう。
何故なら私は丸玉などの研磨されたものには興味が湧かず、ポイントの形状が好きだからです。(クラスターも良いのですが、やはりポイントが一番です)
ダブルポイントはまさしくザ・クリスタル!というイメージですね。
「クリスタルとガラスは成分的には同じ二酸化珪素。この二つの違いは結晶化しているかどうかだ。」
とマトに教わりました。
ガラスも綺麗ですけどね。子どもの頃からガラス細工を眺めるのは好きでした。
しかしクリスタルは別格です。
初めて見た時の感動は今でも覚えています。
あれは小学4年生の頃。
家に遊びに来た友達が
「これ、おばあちゃんからお守りにもらったの。」
とクリスタルのポイントを見せてくれました。
その瞬間、とてつもない衝撃を受けたのです。
今にして思えば、あれはおそらく全面磨きのポイントなのですが(現在は基本的に無研磨が好みです)、それでも当時の私は目が釘付けになりました。
『なんて美しいんだろう…』
もっとよく見せてもらおうと手を伸ばすと、友達が
「石の力が無くなるから私以外の人に触らせちゃダメって、おばあちゃんに言われてて…」
と言うので、触れずに見るだけで終わりました。
この意見もごもっともなのですが、当時の私は『そっか、分かった。』と平静を装いつつも、内心かなり落胆していました。
そして、『絶対いつかクリスタルを手に入れる!』と心に誓ったのでした。
大人になった今改めてクリスタルを観察すると、
『クリスタルにおける六角柱の形成は当たり前の現象ではなく、ある種の奇跡ではないのか。結晶化とはまさに神秘…!』
と感じずにはいられません。
マトがベンゼン環を見て美しいと感動したのと、私がクリスタルの形状に惹かれる部分には、何か通ずるものがあるのではないか。
化学的な意味合いは理解出来ずとも
『それを感じ取れただけでも充分かもしれない』
と、とりあえずは思ったのでした^-^
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